百日紅で草木染め②(全2回)

さていよいよ百日紅を煮出して染液を作る工程。
葉や枝を取り除いて染液のみに。
水につけておいたストール生地をよく絞って、いよいよ染液のお風呂へどぼん。
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染着き具合を確認しながら好みの色にまで液の中でシャバシャバとムラが出ないよう染める。
そして次は媒染液の準備。灰汁はphを確認。別の入れ物に鉄媒染液の薄めと濃い目を用意。
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媒染液に浸けての色変化を楽しみにしつつ
最後にもう一度百日紅染液へ投入。
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↑これは灰汁媒染でベージュ色に

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↑鉄媒染でグレーに。さばいてオゾンに触れさせて染液を馴染ませるのも大事。

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濃度の高い鉄媒染できれいな墨色に。

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同じ百日紅染液でベージュ色と薄墨色と濃い墨色の3色が染上がった。
流水できれいに洗って染めの工程は終了~。
しかし媒染の力ってすごい。。。

梅雨の合間の貴重な晴れの日。
そよぐ初夏の風にストールが気持ちよさそうに揺れる。
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そしてアイロンで生地目を整えて
高級(?)ストールの完成!!

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このストール生地は麻と絹が半分ずつなのでくしゃくしゃと巻いてもきっとおしゃれだと思う。
草木染めは堅牢度(ケンロウド=染め色の丈夫さ)が低い。
でも褪せたとしても草木染めならではのひねた味のある色になる場合もある。
手染めはたいへんな作業だが愛着が深まることは確かである。
剪定した枝葉もこういう形でその息吹を布に移して纏えるようになるということに
感動すらおぼえるいい一日となった。

百日紅で草木染め①(全2回)

地元京北にての染色体験日。
夏の間三ヶ月近くにわたり咲く「百日紅」。開花前の葉と枝を煮出して染液を作って
麻と絹を織り分けられているストールに浸染をした。
教えていただくのは染・織陣内(ソメオリジンノウチ)の陣内章代さん

百日紅について少し調べたので備忘録として、、。
“ひゃくじつこう”、そして“さるすべり”と読む。
sarusuberi.jpg  sarusuberi-siro.jpg 
どちらもサルスベリだが左は“百日紅”、右が“百日白(ヒャクジツハク)”。
暑い時期に文字通り100日間ほど花がつく「ミソハギ科」の中高木(灌木-カンボク-)。
江戸中期に編纂された「和漢三才図会(ワカンサンサイズエ)」に“百日紅(ヒャクジツコウ)”記述も。
和漢三才図会86 
(右ページの左下隅)
ミソハギ科の親戚のような種類にオオバナサルスベリという木があり
そっちはバナバ茶という健康茶の原料。
百日紅染液に布を泳がせている際に漢方茶っぽい香りがしたので
日本のあちこちにあるサルスベリももしかしたら葉を煎じて飲むと同じような薬効はあるかもしれないが、直接的な記述は見つからず。保証できません(笑)

少し脱線するが、ミソハギは「禊萩」と書くのでやはり調べると
・溝に咲く萩のような花から転じた名
・花が禊の祓に使いやすい形から禊に使われた
などあり、夏の花の少ない時期に咲くので
お盆時期に供えたり祓ったりするお花として一般的な様子。

ミソハギ 
↑ミソハギ
サルスベリは囲碁の用語にも出て来る(ここでは関係ないがw)。
そして高浜虚子の随筆“百日紅”
『炎天の 地上 花あり 百日紅』の句。

猛暑の夏に美しい花をつけ続ける百日紅。
その枝や葉にもさぞかし強いエネルギーはあるのだろう。
花をつける前の枝葉が伸びすぎた百日紅から原料をいただき
染液を作る作業にかかる。

運び込まれた百日紅の枝葉をハサミで小さく切って
寸胴に入れて煮出しの開始。
百日紅1  百日紅2  
同行した呉服業のおにいさんが主な作業をしてくださった。

脱線した内容もあり、長くなったので
百日紅染液を作る→灰汁(アク)と鉄媒染の液に浸すなどの工程は次のブログで。



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京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
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