シコロ張りの桐草履

 ちょっと珍しい素材名、シコロ。

シコロとは黄檗(オウバク)という植物のことらしい。
そういえば京都には「黄檗」という駅名も存在するがこちらは
黄檗山萬福寺というお寺にちなんでいるようだ。

黄檗とはキハダのこと。別名がシコロということである。
キハダはミカン科で内皮は生薬に。
樹皮がコルク状で弾力があるのでこのように履物に使われたのではないかな。

ということで「シコロ張りの桐草履」。
お客様から鼻緒を預かって台を探した時にコーディネートしたもの。
                 (許可をいただいて写真掲載しています。)
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このシコロは夏の右近下駄などにもよく使われている。
素足にも気持ちがいいのでどちらかというと浴衣用下駄が主流かもしれない。

以前に浅草のお店でいただいた下駄もやはりシコロだった。

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タイトルに出した「桐草履」はもともとは下駄屋さんで作られていたものだそうだ。
二枚歯や右近下駄ほどカジュアルでなく、かといって牛皮やエナメルほどフォーマルっぽくもない
織着尺・小紋や紬・木綿など、街着としてのお出掛けには適したもの。

ホテルでのちょっとした食事や集まりにも「下駄」では行きにくいが「桐草履」なら大丈夫だろう。

昔のジャンル分けから現代は着用シーンに合わせた折衷タイプの物が出てきている。
悩みそうだが、式ごと以外の気楽なお出掛けにはこういう物で楽しみたい。






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京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
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