大島紬のこと

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大島紬と一口に言っても色の種類・産地などの違いでいろいろなものがある。


大島紬はざっと分けて
証紙が地球印の奄美大島産と旗印の鹿児島産、都城産、関東の村山大島が
それぞれ特徴を持っている。
これは産地の違い。


そして「泥大島」「藍大島」「白大島」「色大島」「夏大島」と
その製品のベース色や糸質によっての分類でもそれぞれの産地で作られている。


それともう一つの分け方、、、これは近年のものだが
「染め大島」なるものも今は多数。
白生地(細かな柄入りを含む)を鹿児島等で生産し検査を受けて証紙を得た白生地で
京都や他の地域で後染めをする。
風合いのみが大島で染めは友禅あり絞りあり、刺繍や金彩まで入るものもある。



その昔は手紬の糸節のある泥や藍のみの素朴な紬織だったとのことだが
それが需要の拡大を求めて多様なきものへと変貌してきた。
もちろん機械(動力)織りも出現しており
その結果価格も実に幅色いものとなった。

一昨年訪ねた「本場大島紬織物協同組合」でのPHOTO

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検査項目は多く、人の目で問題がないかを調べて証紙が発行される。


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これらの証紙は地球印なので鹿児島産のもの。
奄美大島で作られたものの証紙はコチラを参照。



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上左が「締め機」で大島の絣模様を作るのには欠かせない工程。
その右の写真はその締め機を締める動力。。。高齢化や作業効率から締め機は動力化している様子。。。
その下は最後の手織り工程。







大島紬(そう呼ぶ際は先染めの本来の物を指す)は藍や泥染め以外にも杉(屋久杉含む)や
椎木・やまもも・梅・五倍子・よもぎ・黄はだ・桜染などなどの植物染料のほか、
デザイン性・堅牢度(退色しにくさ)を重視して使われる合成染料の物など
ファッションと捉えての色使いも多岐に渡る。


ただ個人的にはやはり車輪梅(テーチ木とも言う)と泥染めによる黒を主体とした
こっくりとした大島が好きだ。

この秋、鹿児島の大島紬を入手
従来のいわゆる「絣模様」の大島ではなく、すっきりとした大きな柄でかな?り気に入っている。
                  (この記事冒頭の写真のきものではありません)
お気に入りの大島紬の機やさん『関絹織物』さんの手織り大島。
次回のUPでご紹介。。。。




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京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
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