京都『うちくい展』

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石垣島で出会った小田さんという素敵な方が主催する『うちくい展』が京都で開催された。
“うちくい”とは沖縄の「てぃさーじ」と並ぶ、祈りを込めた「思い布」の意だそうである。
ぬぬぬぱなぱな』というサイトを通して、沖縄は八重山諸島の染織素材を中心に活動をされている。



日曜日とあってワークショップには大勢の人が集まっており
なかなかの盛況ぶり。

展示されているもの詳細はこちらを参照。

会場で出会った“地機織り”をされているSさんが言われてた言葉が印象的だった。
“洋服は着るものだけど、きものは身体を包むもの・・・”

太陽、風、空気、水、植物、、、それらの恵みで織り上がった布が
きものや帯となって優しく身体を包むファッションなのだ。
それを充分感じる布の数々である。

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                 和裁をされているというお客様(後姿)へ優しく説明をされているのが
                 帽子も纏っているものも素敵なSさん。


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外は春の日差しにしてはちょっと強めの光。
石垣島の日差しもこんな感じだった。
光と影とがつくる自然の風景のように
影になるドレープの内側まで美しい布。
丹念に糸をとり、染めて、一段一段ていねいに織りあげているものばかりだ。

京都展は今日(4月20日)まで。
次は5月28日(木)?6月3日(水)の日程で東京展である。
開催場所は  「ラミュゼdeケヤキ」(東京都新宿区内籐町1-6) 〔地図〕

紬好きには必見の展示会。
こだわりぬいたこれからの次期の単衣用や夏物きもの、その他ストールなどの布が見られる。


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             開け放たれている窓からは大文字さんが見えた。
             ここ吉田山の東にある『錦鱗館』ならではのおいしい風景も堪能できる。



ところでここの冒頭の写真、看板となっているてぬぐい(?)を木の頂に付ける作業は
きっと大変だっただろう。。。。(;´Д`A ```

            

追記: 今東京渋谷の映画館シネマアンジェリカで西表島“紅露工房”の石垣幸子さんの染織の風景が
     映像詩調のドキュメンタリー映画になって上映されている。
     昨年の東京国際映画祭に出品されたものとのこと。
     『島の色 静かな声』茂木綾子監督(4/18?5/1まで)
     
     うーん(-_-)見たいけど行けない。。。関西ではやらないのだろうか。
     DVD出たら欲しいなぁ。




テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

桜のきもの

久々のUP。
だいぶ間があいてしまった。。。。。

満開の桜はソメイヨシノから八重桜へと移りつつある。
気温が急に上昇したので
御室の桜も今年は早そうだ。

今月は下旬までは桜にまつわる柄の着物は頻繁に登場する。
「桜の柄」自体はおめでたいから、とか国の花だからや、
さくら好きな有名人が年中着ていたなどのいろんなケースで
4月だけではなく、きものではもっともスンダードな柄として四季を問わず
着られる。

季節感を重視するなら今がもっとも支持される時期。
枝や幹、山桜の葉などまで描かれているような写実的な描写の場合は
特に季節感が出やすいので、ほかの季節よりもやっぱり春だろう。

桜が季節を問わない例としては浴衣がある。
描かれる桜はほとんどがデザイン化されていて
イラスト的な桜の花となる。
あと、留袖の桜。
おめでたい気持ちの表現としてはまさにふさわしい花となるので
黒留袖、色留袖にはよく描かれる。
そのほか時期的に広く着られるものは“桜の花びら”の柄だ。
デザインとして描かれるために四月ならずとも着られるモチーフの代表となる。




さて今月2日、祇園辰巳神社前“振舞い酒”でのママのきもの。

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お気に入りの右近桜の真珠箔の帯に今年は白地の京友禅の桜柄。
写実的な風景の中の桜が肩と裾に広がり、まさに今着る着物となっている。




コーディネートはこんな感じ↓

        mama-sakura1

きものの中に強い色がないので
全体的にふんわりと淡く清潔感が出るよう
薄いグレーの帯締め+グレーぼかしに白い吹雪の帯揚げ。
重ね衿は黒にしたがたくさん見えると白/黒でキツくなるので
細く1?2ミリ程度が衿元から覗くぐらい。
重ね衿に黒を使うことで帯の黒っぽさのみが主張しすぎないように配慮。
初めはグレー重ね衿を入れようとしたのだが
実際には黒を使う方が引き締まったのでこれに決定した。

お店で動いている時に黒い重ね衿がずれて幅広に出ないよう
着付けをしている時に安全ピンで重ね衿をきものの掛け衿にしっかり止めている。

安全ピンは“金具”となるので脱いだ時にはすぐにはずさなくてはならない。
放置すると必ず錆びが出るからだ。
大きな安全ピンは針が太く生地を傷めるので小さなもので。
後衿のところも三ツ山のクリップではなく安全ピンで止める方がズレない。

着付をしながら使えるので即効性は抜群。
どの重ね衿にするかは着る直前に決まるため、
針と糸で着る前に縫いつけていると、その間待たせてしまうのと
実際に着付けた時にひずむ場合があるので
衿合わせをしながら重ね衿の一番端で使う。
重ね衿のズレを胸紐で締めて押さえ込むのは苦しくなるので
もっぱらこの方法を採用している。

安全ピンを使うことには賛否両論あるかとは思うが、
長年使用していて結果としてマイナス効果はほとんどないため
やはりスグレ物と思っている。


これからは桜の着物からあやめ、杜若や牡丹、藤の柄へ。
季節感がある着物はそれがその季節に着る楽しみへと繋がる。


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京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
きものに関する出来事や気がついたことなどを綴っていきます。

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