城間栄順さんの染帯と合せて

仕事で着る着物が今回はかなり上等なものである。
おそらく価格では今まで着た仕事用の中では最高額になるのではないだろうか・・・

役得なのだが絣の着物はやはり少し難しい。
色使いを一歩間違えるとかなり目立つ着方となってしまう。

    ryukyu2


琉球もの・・・しかも久米島紬である。
2004年に国の無形文化財に指定されている。
これは仕立が単衣なので助かった。
5月とはいえ実際には気温が高い日も多くなり、仕事で動き回るのには単衣の方が楽なのだ。
しかも泥染めなのでシックで絣があっても着易い。
贅沢を言うならばもう少し絣が小さい方がいいのだけど・・・
帯は紅型の名古屋帯。城間栄順さんの作である。
釣りが好きな城間さんは海に関するモチーフが多い。
プクプクのような魚に珊瑚は城間さんらしい得意の柄。
色もモカ茶がベースなので派手すぎずいい感じ。
お太鼓と角出しと交互に結んで仕事とは言え楽しんでいる。
久米島紬に紅型の帯は琉球モノのゴールデンコンビと言えるだろう。


もう一着が『読谷村花織』(ヨミタンザンハナオリ・・・他にも読み方があります)。 
南風原(ハエバル)花織・首里織・与那国織と花織りにも種類があるのだが
花織りは琉球王府の御用布や貴族が着用した物なので
世が世なら私なぞは袖を通すことができない布である。
今の時代でよかった
帯は使いまわしで先ほどの紅型で。

   
    ryukyu1



スッキリ、シンプルな着方を常している者としては
今回はかなり柄が多いコーディネートである。
ただ、この伝統産地工芸品に関してはそれなりの“らしい”合わせかたがあるような気がするので
素直に琉球コンビで着用している。

読谷村の花織りは生地裏に糸がダダダダーーッと渡っているので
単衣は不可。袷のみである。
南風原も糸が渡っているので同じ。
首里織りはお召のように裏糸が出ていないので単衣が可能だ。
後日生地裏の写真をUPできればご紹介したい。

そしてこれらの絣や花織りの着物には半襟を遊ぶことはあまりしない。
白や生成りの無地ですっきりと着る。
着物と帯の色や柄が既に充分楽しいので盛り込み過ぎはうるさくなりがち。
現代の色合わせを考えるなら帯締めや帯揚げだろうか。
かつては真っ赤な小物でハイ出来上がり!とされていたが
そこはひとひねりw
紅型の帯がはっきりとした主張なのでジャマをしない色を使う。
久米島の時は黒と生成りの帯締めを使用した。

可愛く着たいときはもちろん赤やカラシもいいのだが、、、
まぁ歳(とキャラ)を考えて。。。。。。(;´Д`A ```

しばらくはこの着物達との付き合いが続く。


舞子さんが助っ人に

いつもの産地紬の仕事である。
今回は以前にもここで紹介したことある結城紬やその他逸品の展示会場。
京都市内の北西にある山間の大きな会場で、窓からは化野念仏寺奥の里が見える。

のんびりとした会場には全国からVIPのお客様が訪れゆったりと時間が過ぎている。
ここではお出迎えと記念写真のサービスで宮川町から舞妓さんが呼ばれていた。

その舞妓さんがお客様が途切れた合間に実演のコーナーへ。。。


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じーーっとたたずむ姿は絵になる・・・・が・・・・

しばらくすると

     

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真綿がかかっている“つくし”から実演の先生に教わって
一心に糸を引き始めた

ちょっと間の格好だけではないw
通りかかるお客様へも声をかけながらのなかなかの“実演”ぶりw
案内係の男性がたまりかねて迎えに来てしまう始末である。

話してみるとかな?り気さく 
実はやんちゃな今時の女の子であるw
十代のコならではの箸が転げても。。。なのだ。

京都出身ではないので何かに強い興味を持つタイプなのだろう。
結城市から来られている実演の先生の関東弁につられて
語尾もあやしくなるw


舞妓さんたちの着付けは男衆(おとこし)さんである。
袋帯二本分にもなる長さと重さ。これを一気に巻いて締めるのには
それ相応の力と技術が要る。
最近は女性もいるそうだが昔は男性の仕事と決まっていた。

昔、着付け学院に通っていた時
  (着物が着れるようになった後に通った(;´Д`A ```)
そこは着付け以外の着物に関する様々な講義や実習ができるのだが
その中に『舞妓・芸妓着付け』の実習があった。
その衣装の総重量はかなりのモノで着る方も大変だが着せる方も
単に力まかせでもダメでかなり難しかったことを覚えている。

無言で糸を引く舞妓さんの後姿を見て
ふとその頃を思い出した。



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京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
きものに関する出来事や気がついたことなどを綴っていきます。

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