祇園のママ(桜の着物編)

先月下旬から祇園のママは桜の着物を意識して着る。
その数もかなりのものだが少しご紹介。

          sakurakimono2

↑裾と袖に銀糸で花びらの刺繍がされている訪問着。
色が涼しげなので今日あたりから着れる・・・と本日の装い。
 (今までは夜がけっこう冷え込んでいた)
帯締めは色が良く出ていないが薄いグレーと金の平打ちもの。
重ね襟は銀鼠色に近い淡いグレーのものを使用。
きもの全体が淡いトーンなのでその色を生かすべく小物類は極力色を抑え目。


          sakurakimono1

↑薄ピンクに後ろ身頃がクリームと薄茶のぼかしの訪問着。
 実は桜守の佐野藤右衛門さん監修とされている柄である。
生地は御召の白生地を染めたもの。縮緬よりも若干腰があって打ち込み(織り密度)もいいしっかりとした生地である。
帯は西陣の真珠箔の濃いグレー。柄の桜は“御所の左近桜”を描いたもの。
この真珠箔の帯が実に重宝で、真っ黒ではなく濃いグレーなので
他の薄い地色の着物はもちろん、黒の桜の訪問着にもぴったりなのだ。
帯締め、帯揚げはともにベビーピンクに近い薄い桜色のものを使用。
重ね襟には葉の色のややくすんだ薄いグリーンでボリューム感を出した。

いずれも上品さは特上である。

まだ桜の着物を着る時期は続くので他のコーディネートも順次ご紹介できればと思う。

南九州紬紀行 1

春の指宿へ行った。
目的は温泉ではなく、知人の手織り工房を訪ねるためである。

ご夫婦で織られていて糸染めは植物染色。
背高泡立ち草やお茶、夜叉五倍子(やしゃぶし)などから染料を取り
丹念に手織りをしておられる。
  (工房のサイトはこちらです)

uehara


鹿児島での製織だが大島紬とは違う少し節のある糸での
風合いのよい紬織物だ。
“ふだん着物”が最近は好まれる傾向が強くなってきているので
これからはこういう優しいスローテキスタイル系は貴重となる。
そして無地や縞・市松・格子などのシンプルなものが多いので
宇ゐ好み

工房規模の大小に関わらず、こういった手機作業は等しく手間のかかるものだ。
糸の手配、糸染めから整経、織りと一反を織り上げるのも一苦労だが
ぜひとも頑張っていって欲しい。

ブランド力のある紬も魅力だが色や風合いを求めての
純粋に着たい着物はたどり着いた時にある種の感動も産む。

自然や大地のパワーを纏う気持ちになれる紬なのだと思う。












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京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
きものに関する出来事や気がついたことなどを綴っていきます。

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