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きもの作家さんの個展@京北周山

昨年に続き、今年もこの山里での個展。
蒔糊友禅の陣内久紹さんと奥さま陣内章代さんの作品展である。

今回の会場は広々とした300坪近い敷地の中にある茅葺の民家。
梁や柱などを移築してきれいに再建築れているので
清潔感と明るさ、開放感のある会場。

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五月の心地よい風が吹き抜けて、高台にあるので縁側からの眺めもいい。
今年はお手伝いとして会場で試着をされたい人の着装をさせていただいた。

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蒔糊友禅『高雄の空』
楓がモノトーンでシルエットになっていて木陰から覗く青い空が爽やかな訪問着。


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幻想的な夜桜の桜吹雪のような訪問着
蒔糊がとても豊かな表情で幽玄さを醸す。


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      かわいらしいアマゴが肩に描かれているが裾は川の流れが躍動的な作品。
      アマゴの鰭が鮮やかなイエローで楽しさも感じる。


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      章代さんの紬きもの。
      桜やクサギ・のいばらなどからの染糸が明るいグレーの中で奥深い味わい。


衣桁や撞木に掛かっている着物は平面的だが
これを身体に纏うと不思議なほどの魅力が出てくる。
やはりきものは着るものである。
陣内さんも図案は常に身体に巻いた時にどう見えるかを意識して柄を決めるとのこと。
掛けていて大胆な柄も、実際に着ると身体の丸みに馴染んで上品になる。


今回は多くの来場者さんがいろいろ試着で楽しんでいただいた。
実際にはそうそう着る機会のないきものでも
そこはやはり日本人。
羽織って帯を合わせた時は着姿の魅力にしばし鏡を見つめる方も続出である。


そして、陣内さん、章代さんの静かな説明で、より一層きものの奥深さを知ることができる。
高い染めの技術で端正な表現と高いグレードを感じる蒔糊友禅訪問着
章代さんのお人柄のにじむ優しい紬。

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4日間を通してじっくり作品と触れ合うことができてほんとに楽しかった。

きものの他にもショール・ストールも植物染めで展示があったのは
新しい試み。

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会場のディスプレーともよく馴染んで
ストールが風にそよぐ様子も目に心地よい。

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縁側から見える美しい杉の木立、広い土間・囲炉裏・重厚な梁や真っ白な漆喰壁
山里の展示会はこうも贅沢なものかと改めて思う。

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茅の端から苔が覗いていた。


来年もまた開かれることを心から願う。
陣内さん、章代さんほんとうにお疲れ様でした。

秋の博多展・佐賀展もぜひ頑張って作品をお披露目してください^^

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西陣のイベントで。

ひさびさのキモノブログ。

昨年後半は引越し&繁忙期等々にて【きものなれゐて】の実施が止まってしまったので
新年から再始動。

第一回の【きものなれゐて】は
自由参加の西陣の機屋さんイベント。
『木屋太』ブランドでおしゃれな帯や織着尺・御召着物を展開している織物メーカーさんだ。

午後からのワークショップではこの業界イベントには珍しく
帯と着物のコーディネートの話が中心だったのはとても嬉しかった。

特に制作者としての色の吟味の話は興味深かった。
一色の表現のように見えて、実際には経糸と緯糸の色糸の交わりや複数の色を織り込んで
角度によって色が変わって見えたり、色の深みが増す。
例えば濃い紫色に見えても中に茶色の糸をもぐらせることで
微妙なしゃれ感のある色が出現する。

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生地を二重織りにしてある仕掛けや
風通(痛風ではないw)という表と裏の色が反対に出る織り方などの説明も。
これは八掛けを付けない単衣にもよさそう。

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イベントの解説はとかく専門的な話になりがちだが
今回のワークショップは話が進むほどに聴く人達が段々身を乗り出してきた。
よりコーディネートしやすい色の表現によって
1本の帯が複数の地色のきものに合わせやすかったり、
1反のきものが帯によって様々な表情を見せたりといった“実例”を目の当たりに。

さらに小物使いでより楽しく着られたりも。
↓社長のお母様手作りによる帯にからめる飾り。
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社長自ら“着たいきもの”を織られたそうで、
これはマッキントッシュの椅子を衽に織り込んだ物。
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これらのことは作り手さんが同時に着る楽しみを知っている(知ろうとしている)ことを感じる。
どの職人さん達にも求められることではないかもしれないが。

先人の技術や伝統を繋いでいくことはとても大切だが、
昔の雑誌や資料から色やデザインを踏襲するだけでは色にあふれている現代のファッションとすると
やはり偏りを感じる部分がある。とくにしゃれものの場合は。

現代もしくはこれからは益々、
何を着るかと同時に“どう着るか”が求められる。
価値は値段の高い安いではなく、いかにうまく着姿を構築できるかが
“おしゃれな着こなし”には必須となる。

自由に色糸を染めて行ける服地の糸よりも
制約の多い織糸(特に撚糸)をどう使って深い表現となるか。

そしてそれらの作り手さん達のご苦労を
少しでも垣間見た時に帯やきものの奥深さをより感じることができ、
自分がそれを着用してみたいと思う価値観と正統性が出てくるのではと思う。



次回【きものなれゐて】は
2月15日(土)14時頃より
“きものカラー講座”です。講師はカラーアナリストの『能口さちこ』さんです。
詳細は決まりましたら宇ゐウェブサイトにてお知らせいたします。




夏にきものを着るということ

暑い夏ももうすぐ。
夏は大好きなシーズンだ。
自分で着物を着るのもほとんど単衣から夏場が中心になる。
秋やお正月・春先はやはり着付をさせていただくことが立て混むので
なかなか自分できものを楽しむ時間がとれないせいもあるが。。。

軽くて、意外と涼しいし
素材好きなのでいろいろ探して面白い素材を着てみたいと思う。
どちらかというと柔らかい物より
コシがある麻や紋織りの着物などが着易くて好きだ。
麻は着た後すぐに洗ってしまうことも出来るし着るほどに身体に添ってくる経過も楽しめる。
気温が30℃を超えるともう夏物を着てしまう。
それが6月上旬でも夏大島などの夏紬類は絽や紗よりも目が詰まっていて
透け感がやや抑えて見えるから重宝。
麻混の綿の着物もやはり6月の暑い日から出動である。

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  ↑西陣の紋紗着尺 


  sibori

  ↑藤井絞さん:麻混木綿きもの(浴衣としても着用可)


数年前より襦袢や肌着も麻にした。
身体と布との間に空気が入ってそれは涼しい。

もっときものを楽しむ人が増えるといいなぁと考える際に
夏のきものの楽しみがわかるとそれがかなり着物生活全体へ影響が出ることに気がついた。
ゆかたを着るだけではなかなか着物へ繋げるのは難しいかもしれない。
でも、ゆかたを麻混の物にして衿をつけて出かけるだけで
ちょっとこなれた着方になり、そのまま秋の着物も自然と着られるようになる。

ちょっとした情報・工夫できものファッションが楽しめるのが
やはり夏物の良さなのではと思う。
季節や時節のとらえかたが難しいという人も多いが、
自分の楽しみで着るのであれば暑かったら涼しそうに着る、ということでいいのではないかと。

また、半幅帯に正統性が出るのも夏。
麻きもの+半幅帯が私の定番スタイルでもあるがw
半幅帯は背中がお太鼓より数段涼しく、軽いのでとにかく楽。
前で結べるしね

そういった夏のきものを着る機会を
今年も作った。以下どなたでも参加できるのでぜひ!!!

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

      

【夏きものの集い @嵐山】

今年は街中の喧騒をはずれた深緑の嵐山で開催です。
早めに到着して嵐山散策もお楽しみください。
夏の着物を着たい方、どなたでも参加できます!!!

2013年7月2日(火)18:30~20:30頃
会場入場受付は18:00より
会場:嵐山琥珀堂
GoogleMAP 
(嵐山琥珀堂のピンマークをクリックしてください)

会費 5,000円(フリードリンク)


レトロな洋館でカジュアルフレンチのビュッフェです。
嵐山の竹林の道のすぐ近くで
元結婚式場の広い洋館でテラスもあります。

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[アクセス]
JR嵯峨野線 『嵯峨嵐山』下車徒歩5~6分
阪急嵐山線 『嵐山』下車徒歩約7~8分
京福電鉄(嵐電)『嵐山』下車徒歩3分
市バスは28番『野々宮』バス停下車スグ

[ドレスコード]
夏のきもの、または浴衣に衿と足袋着用にて。
(お仕事帰りで時間がぎりぎりの場合は洋服でも可)
当日は店内2Fに着替え用の個室を使うことができます。
このパーティ参加の方には着付ご希望の方へ無料で宇ゐが着付をします。(事前にご希望をお知らせいただけたら幸いです)
着崩れなどのお直しも宇ゐが承ります(v^ー°)
どうぞ安心してお着物で!

[お申込み方法]

① http://www.ui-kimono.com/mail/index.html
 ↑お申込みフォームです。【きものなれゐて】お申込みのラジオボタンをクリックしてください。
② info@ui-kimono.com へ直接メール

      

嶋原 菊川太夫さんとのひととき

連休最終日は“こったいさん”お手前のお茶会に参加。
“こったい”とは嶋原(島原)の太夫さんのこと。

花魁(おいらん)と混同してしまいがちだが、“花魁”は江戸吉原遊郭の遊女を言う。
京都島原の太夫と江戸吉原の花魁とは、その着付もヘアスタイルも、歩き方、使う言葉も違う。
“こったい”とはかつての島原の名妓が能狂言に“凝った”からとも“こっちのたゆう”からとも言われる。

今日のイベントは三十三間堂の東向かいにある『法住寺』さんでの【華燭の会】。
菊川太夫(所属は置屋くし菊)さんのお手前でお茶をいただいた。

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元高砂太夫さんをおかあさんにしている菊川太夫さんはお茶は『藪内流』。

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法住寺さんの庭園内の松越しにみえる待機中の禿(かむろ)ちゃんの背中。
金駒刺繍で「菊川」と縫われている。太夫さんの出演には2名の禿が付き添い、お茶のお運びを手伝ったり。

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きれいに咲いていた青紫の花は調べたら『シラー・ペルビアナ(大蔓穂-オオツルボ-)』という名前らしい。
お寺にあるので和花かと思いきや違ったw

お茶の席へ案内されてお手前へ。(↓お手伝いをされている方デス)
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いよいよ菊川太夫さんの登場。
お手前最中は撮影できないのでこれは終わってからの撮影許可後。

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髪飾りは鼈甲や塗りの櫛・八本の笄(コウガイ)・簪などで5キロほどにもなるとか。
それに打ち掛け、丸帯などで相当な重量。
太夫道中となると三枚歯の黒塗りの高下駄が片方約2キロ。
足袋は履かず一年中素足(現在は時に足袋も履くらしいが)で
衣装に夏物がないとのことなので、夏は暑く、冬は足が冷たいそうだ。

重さもあり、着付・帯結びはおかあさんに手伝ってもらいながらでないと難しいらしい。
衿を返して赤い色を見せているのは禁色の赤を着られる身分であることを表しているとのこと。
帯は高貴さの証の前帯。“心”の文字をかたどった五角形の結び方。

紅は下唇のみ。祇園では芸妓になると上唇も塗るが太夫はずっと下唇だけ。
お歯黒は殿上に上がれる位の者は白い歯を見せるのははしたないとされるため。

これらの支度は今は現役の太夫さんたちがその様式美を伝えている。
お座敷でなくてもこのようなイベントなどで我々もその姿を見てその歴史に触れることができる。

ちなみに文様の名前で「吉野間道」は嶋原の名妓吉野太夫が中国広東省の縞を好んだということから出来た名前とのこと。


このイベントを紹介していただいた知人。
今日の着こなしも素敵だった。
おばあさんの気に入った柄の着物があったが、寸法が合わなかったために
自分用に復刻させて染めてもらったそうだ。

快晴の空のもと、杜若色が美しく映えた。

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お茶席後は松葉のお蕎麦を

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関西在住の方は
2013/05/12(日)6:45~7:00にてMBS毎日放送「美の京都遺産」2007年の再放送で“常照寺”放映。
常照寺は京都の鷹峯のお寺。嶋原の名妓“二代目吉野太夫”のお墓がある。
毎年4月第二日曜日に“吉野太夫花供養”が行われ、太夫道中を観ることができる。
番組では恐らくその太夫道中の様子をとらえているハズ。

また、今回のようなお手前観賞やほかのイベントへ参加ご希望の場合は
角屋文化美術館さんのサイトにて太夫さんのお手前観賞会がUPされたらイベントに申し込まれるか、
置屋くし菊】さんのサイト新着をチェックして参加申し込みを。
    

マイサイズの見つけ方講習会

先日、久々に“講習会”に行ってきた。

かねてよりなんとなくこうだろうと思っていてもやもやしていることがまだあった「きものの寸法」について。

『マイサイズのみつけかた講習会』といううってつけのイベントが京都であった。

一級和裁技能士である「彦根由美」さんによる講習である。

この会、彦根さんが東京にお住まいなので関西の開催は初めてのようだが、都内では時々開いている。

彦根さんご自身も素敵なきものの着こなしをされる方で、お会いできるのが楽しみだった。


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             [彦根由美さん:小紋に半幅帯で


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内容は「身丈」・「袖丈」・「袖附」・「褄丈」・「繰越・付込」・「身幅」・「抱巾」・「裄」・「肩幅・袖巾の割り振り」
の項目で検証。

それぞれ【標準】と【中級】、【上級】でのとらえ方と、体型や着方によってどう変わるかなど
あるときは細かく、場合によっては大胆な判断での寸法調整を教えていただいた。

名前は知っていてもはっきりとどう他の寸法や着易さ、着にくさに影響があるのかは
やはりプロの方に聞かなくてはと思っていたのでとても参考になった。


特に気になっていた「繰越・付込」以外にも「袖附」と身長との関係や
「身幅」の微調整が胸元のスッキリ感に影響があるということ、
“肩山”の線が“肩の真上ではない”ことへの認識がなるほどな~~と納得。

より美しいラインや着る際に出るシワなど気になる部分などは寸法の取り方でも多少変わってくる。
もちろん、素材のタイプ(ツルツル、ザラザラ、薄い、厚い、硬い、柔らかい)によっても違うが
自分の寸法でも紬の寸法と柔らかものの寸法は多少違ってもいいのだということは目から鱗だった。
言われてみたら“そりゃそーだ”と強く納得。

さらに生地を一度水(ぬるま湯)を通してから仕立てると自宅でほんとに洗える話から
自宅でのケアまで話が及ぶ。

いろんな解釈や着方の価値観はあるのでどの項目についても個人の好みを強く反映する寸法。
ただ、“この方がもっといいのではないか、楽なのではないか”という追求はしていくと
よりこだわりが増していく。

プロの目線はそういう希望をどう形にしていくかを常に考えているのだと感じた。



        


寸法に気持ちが行くことはきもの上級者への入り口だと考えている。
自分の寸法について尺貫法で話ができるようになることも、
悉皆やさんや仕立てをされる方とのコミュニケーションを取りやすい。


私の着付講習でも、極力自分に合った寸法のきもので練習をすることを勧めているが
中には譲られてそのままのきものを着にくそうにしている方も時々おられる。

譲られたり古着を購入した際にもちょっと自分の寸法に直すと
格段に着付が楽になるし着崩れもしにくくなる。
同時に着ることへのさまざまな意識も働き、よりきれいな着姿への一歩となる。




もうちょっと楽に、すっきりと着たいとお思いの際には
ご自身のきもの寸法への意識を少し持ってみることをおススメします

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宇ゐ

Author:宇ゐ
宇ゐのキモノブログへようこそ!
京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
きものに関する出来事や気がついたことなどを綴っていきます。

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