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きもの整理『風入れ屋』ストーリー③

kaze (1)  kaze (2)


前回この記事を書いてから半年以上が経過しての続編。
そもそも『風入れ』とは何ぞやという話も追加したい。

までは風入れの仕事を着付に追加していくきっかけになる話。

グレーゾーンの着物や帯を分類することで、全体像が見えてくる。
着物のことに特に意識がなくても、着る機会がありそうなもの、今後着る着物として1軍メンバー入りしたいものと
着るのに問題があるような古いシミがあったり、寸法が合わなかったりで“除外”していくもの。
それ以外はグレーゾーンである。

次にそのグレーな候補の中で、
見た時に自分の気持ちが上がりそうな色や柄を区別していく。
これはあまり時間を掛けずに。
ところが、その候補選びの際に多くの???が発生する。
風入れはその???に対しての解決策を提供するサービスと言ってもいいかもしれない。

“着る事が出来る”だけではない、“着たくなる”着物を目指すのだ。
“着たくなる”というのは、着姿として、着物・帯・小物・襦袢も含めた着姿全体への満足度。
当然のごとくご本人の個性や姿をより引き立たせる物としていく。

最初に依頼をしてくださった喫茶店で出会った女性は小柄なので
譲られた物も寸法が足りて、シミ・スレ・カビなどの問題が特にない着物も多かった。
とにかく好きな柄、着たい色の着物を選んで、さらに帯と小物をコーディネート。
“なりたい着姿”としての成立を目指して延々と作業が続く。

式ごとやパーティ用の後染め(裾模様の染物)の着物と
軽い食事会にも着て行ける紬・小紋などの分類をし、
いつも合わせている帯小物を変えて違うイメージで着る提案もしていった。

最終的には、抱えられない桐箱には黒に近いグレー(地色ではないw)な意識の着物を。
その他はわかりやすく、しかも取り出しやすく箪笥に納めて終了。
約2日と半日ほどかかったがその時間を通じて
少しずつそのお客様が持っている着物群との距離感を縮めて行くことができたのではと思う。


鎌倉五山第一位の建長寺に『宝物風入れ』という行事がある。
宝物の虫干しを兼ねた展覧会で毎年11月の文化の日に行われている。
ここから言葉をいただいた『風入れや』。
たとう紙を開くだけでなく、しっかり見てみるというのがその柱となる。
数十年前はダメだと思ってた着物や帯が意外なぐらい別の見方になって身近になったり
昔は気に入っていたものが別の印象になったり。

過去ではなく見た時点から先の将来へ向かって
ご自身と箪笥の中の着物や帯との付き合い方を考えていく為のお手伝いが
『風入れや』である。


~続く~

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着物を初めて着るということ(男性編)

着物を着る事は、特定の着付学院やお教室などの“着付方法(手順)”というシバリがなければ
ある意味“カタチ”を整えていくファッションである。

今回は、はじめての男性の着物について。

手順は、、、
足袋をはき、下着をつけて襦袢を着て、着物を着る。
そして羽織を着てあとは履物と持ち物。
(夏以外ネ)

足袋はこはぜというちいちゃな小判のような金具が留め具としてついている物が正式だが
最近はソックス状のスリッポン足袋もある。
普段着なら靴下屋さんの足袋状ソックスでもいい。
要は草履が履ければいいのである(笑)

下着はU字型の衿のシャツであれば、別にいわゆる着物肌着でなくてもOK
U字型の衿でないと襦袢衿の合わせ目からシャツの衿が見えてしまうので。
下はステテコ(のようなもの)でOK。
まぁでも普通に下着コーナーで売っているもので十分。
“肌着を着ない”という選択は下の襦袢Tシャツなどでは有り。
肌着もステテコも皮脂や汗が襦袢や着物に付かないようにするため。

そして襦袢だが、
最近、なんだかよさげなものを見つけた。
法衣を扱っているお店にありがちなのだが、
Tシャツ状態で衿が襦袢の半衿がついた状態にある物。

syatsu-juban-s.jpg

ただ、↑これは衿の素材がペラペラなため、上から別の半衿を縫い付けるとよりグレードアップする。
(面倒ならこのままでも)
このTシャツは衿の合わせ目にマジックテープが付いていてかぶる際にはずして
着た後に好きな深さの衿合わせに変えられるというのがイイ。

こんなのはイヤだという御仁も多い事とは思うが
初めて着物を着る際にやはり気になるのが着崩れ。
一番の着崩れは襦袢衿が開いてしまってぐだぐだになるか着物の下にもぐってしまうか。。。
このTシャツならその心配はない (^ー゚)v
正当な長襦袢は少し着物のことがわかってからでも遅くはない。
その時は素材と柄や色にこだわって誂えるといいと思う。

そして着物を着る。
男性の着物はおはしょりがないので、ガウンのように羽織ればいいだけ。
腰位置でベルクロのついているベルトで止めるだけでいいので簡単。
もちろん腰紐でもいいのだが、着物を合わせながら腰紐を結ぶという行為は
最初はちょっとやりにくいかもしれない。

コツは着物の内側(下前)に来る方をしっかり深く左奥へ入れて
衿の合わせ目をド真ん中にしたら角度を左右で揃える事。
(襦袢衿が左右同じ幅で覗いていたらOK)
そして、それをキープしたい。
そのキープするのにスグレ物がこれ
“衿止め”というクリップである。

eridome-s.jpg
これを内側に差し込むと、絶対に(笑)衿が動かないのだ。
(差し込み方は“衿止め 使い方”などで検索するといろいろ出てくる)

そして帯。
これがなかなかめんどくさい。
兵児帯というふわふわしたごく薄の絞り染がある帯なら蝶々結びをして後に回せばいいのだが
この帯はきちんとした場所には不向き。
角帯となると結び方が数パターンある。
慣れれば簡単なのだが、最初は少し練習が必要。

それが面倒という方は、
素材はともかくやはりマジックテープで止める角帯もある。
すでに貝の口が結んであるというウルトラなもの^^;
合わせ目を身体の前でバシッと止めたら、着物をとめているベルトの向きに逆らわないよう
後ろへ回せばおしまい。

あとは羽織をはおって羽織紐をひっかけるだけ。

男性はほんとに自力できれいに着ることが簡単だ。
着なれてきてほかの人たちの着姿を見ているうちに
だんだんとホントの着方もしたくなるかもしれない。
そうなったらもう着物がワードローブとして活躍していける。

ちょっときちんとしていきたい場所や
和のスタイルが合う場所など、ぜひおススメしたい (^-^)/

【きものなれゐて】の意義

2月14日 は【きものなれゐて】の新年会。
今回はCOCON烏丸B1という便利な場所の中華料理店。

20名越えの参加者全員がきもの姿ということで京都では珍しくない状況も
“ワゴンバイキング”という食べ放題コースはさすがに珍しいかと(^_^;)

つまりたくさん食べても平気なぐらい
自分で着るということは“楽”ということになる。

IMG_4535.jpg


【きものなれゐて】とは
平安時代の手習い歌「あめつちの詞」よりいただいた
“きもので慣れて居て”という意味でつけている会のタイトル。

きものを楽しむということは
手順の習得よりも慣れてしまうこと、居ることを苦にしなくなることではないかと思う。
何ヶ月習っても、実際に外へ着て出かけて行かなければ
数ヶ月離れると忘れてしまい自信がなくなってしまう。

かといってなかなか自分の意思で着て出かけるのには
初心者は勇気も必要だ。
このなれゐてはそんな気持ちでいる人の背中を押してあげる会。
実際会場には着付関連の仕事をしている参加者も数名いるので
会場に着いた時に“手直し”をしてもらって安心して食べて、帰ることが出来る。

この日も数名、“直してください”という要望があって少しだけ触らせてもらったが、
実際はそう大きく直しているわけではない。
基本、充分きれいに着て来られているのだ。
触って直す際は、“この方がよりきれいかも”という程度。

大事なのはそこへ自力で着て来ているという事実。
もちろん、着物での自力着付はしないという“方針”の方々もいて
喜んで着付はさせてもらう。

持っているもの、箪笥に入っていた物を活かし、
自分の身体につけて出かける。
考えたらシンプルなことなのだが
こと着物に関してはいろんなハードルがあるような気がするのも現実だ。
そういう気持ちのタガをはずしていくのも
私たち着付師や着物で仕事をしている者の使命なのではと思う。


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↑丸帯を半巾帯に作り変えて御召にON!

     150214-1.jpg
     ↑今日の着物は関絹織物さんの大島紬+ホタルぼかしの長羽織・・・ぁぅ…羽織にアイロン掛けておけばよかった~~(;´Д`)


京北でのつむぎ織

京都は右京区の西北 京北町というところできものを手織りしている方がいらっしゃる。

陣内章代さん
ここのブログで5/28にUPした蒔糊友禅陣内久紹さんの奥様。

ご主人はいわずもがなの超こだわりの作家さん。
そして章代さんは優しい奥様でありながらやはり1反1反を糸染めから織りまでお一人で丁寧につくっておられる。
染織作家志村ふくみさんに師事され、
京北へ移り住まれてからも志村さんのもとへ通い染織りを習得された。

先日この陣内ご夫妻のアトリエを訪ねた。

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糸はすべて植物染色。
その多くは地元京北の植物で染料を取っている。

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染料は
“野いばら” “萩” “ねむの木” “月桂樹” “梅” “くさぎ(臭木)” “よもぎ” “桜”etc.
媒染によっても同じ植物からいろいろな色を出して染めている。
ブルーを表現する“くさぎ(臭木)”は時に無媒染の場合もあるとのこと。
写真の桜染はその桜の灰汁で媒染している。

どの染糸も優しくふんわりとした明るい色。
さらに植物の中に潜むパワーもその染め糸にうつりこむ。
きっと着る人にも、着姿を見るひとにもほわっと暖かい気持ちと
自然(の持つ命の力を伝えるだろう。

経糸には細かく差し色の糸を挟みこんでいるので地色に深みと奥行きが出る。

     IMG_3267.jpg

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残念ながら現在は製作途中の状態なので完成品としてのきものの写真は撮れなかった。

アトリエ周囲は山の美しい緑がたくさん。
気温も今はとても過ごしやすい時期だ。
機織りのぱたんぱたんという音が里山に響くのはきっと心地よいだろう。

陣内久紹さんの蒔糊友禅と章代さんの紬きものの展示会は今年(2014年)10月に九州で開かれる。
10月24日~27日福岡で、続く10月30日~11月3日佐賀の予定。
詳細は“陣内久紹 陣内章代”のサイト“きもの展”情報にて近いうちに告知予定とのこと。

お近くの方ぜひお立ち寄りを!!
優しい気持ちと生命のパワーをもらえると思います!

絞り着尺の面白さ

絞りの着物第二弾。

今度は最近コーディネートした単衣もの。

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縫い締め絞りに幾何柄の袋帯。
きものの生地は大島紬。やはり藤井絞さんのすっきりとしたデザイン。
袋帯は今河織物さんの木屋太ブランドを合わせる。

大島地なので薄いがしっかりとした生地。軽くて裾さばきが良く
この時期のじめじめした気候にはぴったりだ。
絞りの着尺は街着仕様とも言えるが、絞る面積が生地全体なので
ある意味裾柄のみの訪問着よりも手間が多いとも言える。
絞り目の拡大↓
hujii-kiyatacs.jpg

針穴が見えるように気の遠くなるような細かな作業の先に
このようなカッコイイ文様となる。

木屋太帯は大胆になりすぎず、きものの地色を感じて添いが良い物を選ぶ。
この時の帯揚げはきもの地色の共色に近いクリーム色。帯締めは生成りに黒糸をあしらったモダンなものを。

とにかく全身に柄があるので色数が増えないようにする。
せっかくのしゃれた絞り目文様を引き立たせるコツでもある。
同時に単衣きものである以上、暑苦しくならないように。

次回の紹介はより涼やかな単衣友禅です。
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宇ゐ

Author:宇ゐ
宇ゐのキモノブログへようこそ!
京都で着物スタイリスト、着付コーディネートをしています。
きものに関する出来事や気がついたことなどを綴っていきます。

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